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中国ブランド名辞典について

ブランド名の中国語訳っておもしろい! そう思って集め始めたのは 北京の出版社で働いていた90年代の初めでした。北京市立大学の 学生アルバイトを一人雇って(!),デパートやスーパー(商場)の商品名を 調べてまわってもらいました。その時に整理・記録していたものがこのブランド名辞典の ベースになっています。
とはいえ,そのころの外国ブランドは今思えば それほど多いものではありませんでした。北京にピエールカルダンの店が 開店してニュースになっていたころですから。

今でも,仕事で中国に駐在している方や, 留学生として来ている方たちは たいていそういう新しい言葉をメモしたり,単語ノートに集めたりしている ことが多いだろうと思います。ただそうやって集めたものも,いつかは 散逸してしまうことが多いのではないでしょうか。それをどこか目に見える 所に置いておいて,分類箱のように,いつでも新しいことばを投げ込める ようにしておけたらいいなと思いました。プロバイダから提供された2Mの スペース(当時)は,この分類箱を置いておくのにぴったりの場所でした。

97年末に上海でカーマニア向けの本を買いました。これは同行の Y氏が見つけて教えてくださったものです。かなりたくさんの車種が 写真つきで出ていました。この時点で,以前北京で集めたものと合わせて 分類が充実してきたので,ホームページにアップすることにしました。
ですから,初版では自動車部分がかなり多い形になりました。 その後は新しいものを見つけしだい投げ込んでいって今に至っています。

ブランド名の中国語訳のおもしろさは,いかにして魅力的でアピールする商品名 (または会社名)に訳すか,そのために漢字の字音と意味とがいかにくふうされているかという点でしょう。 有名な「可口可樂」(コカコーラ)は音訳で,かつ「おいしく楽しい」という意味も 表しています。(ただちょっと喉音 k が多すぎるのが好きになれませんが・・)
おおむね音訳+漢字の意味を生かしたものが名訳になりやすいみたいです。「佳能」(キヤノン), 「奔馳」(ベンツ),「万潔霊」(マジックリン),「百威」(バドワイザー),「宜家」(イケア)とか, いずれも音訳で,かつ漢字の持つ意味も生かされていて,アピール度が高そうです。 個人的に好きなのは「鋭歩」(リーボック)で,こりゃすごい訳だなあと感心しました。

完全な意訳では「珈琲伴侶」(コーヒーメイト), 「七星」(セブンスター),「藍鳥」(ブルーバード),「甲骨文」(オラクル), 「微軟」(マイクロソフト)などがありますが,ブランド名の ばあいは音訳(または音訳にプラス意味を含ませる)のほうが多いのが特徴的です。
中国語の外来語はふつう音をそのまま移すのではなく,きちんと意味のある中国語に置き換える 意訳が一般的で,この点はパソコン用語などもきちっと意訳されているのが多いのですが, ブランド名に限っては音訳主流といえそうです。音を外国っぽくしたほうがしゃれていて, 差別感が出せるからでしょうか?

日本企業では漢字名称のばあい「精工」(セイコー),「理光」(リコー)など のようにそのままで音・意味ともとってもグーなものがあります。
これじゃちょっとなあと思われるのが「索尼」(ソニーの音訳)。この字面なんとか ならんかなぁ,ほんとはもっといい訳があったのでは?とか思ってしまいます。 とはいえ「索尼」はすでにあまりに有名なブランドなので,そんな 違和感を感じる人もいないでしょうが。いかにすばらしい名前を考えても, 商品が売れなければブランドの確立しようもないわけです。
「三宝樂」(サッポロビール)とかも字面がヤボくさくてあまり好きになれません。 「三得利」(サントリー)のほうはまあまあですが。
最近のでは上海に開店した「優衣庫」(ユニクロ)。基本は音訳ながら意味もこってり 盛り込もうとしたため,ちょっと無理してるかな,意味がベタすぎるよ,という感じ。 音もyou1yi1ku4 ヨーイークーなんてちょっと平板すぎないか?

・・・とまあ,そんなふうに論評を加えながらながめるとか,余力があれば自分で さらに別案を考えてみるとか・・がブランド名を楽しむこつかと思っております。

                                 (2003.7.18 管理人・記)